神経発達症とその周辺

溢れる情報の中から、小児科専門医が選んだ信頼できる情報を提供します。

トイレトレーニング 〜お尻を拭く〜

トイレトレーニングには“仕上げ”が残っていました。

それは「お尻を拭くこと」。

直接見ることができない場所をキレイにふき取ることは、子どもにとって大きなハードルですね。

どんな風に教えて、どんな風にトラブルに対処すべきか・・・解説書を読み、私がポイントと感じた箇所を引用・抜粋させていただきます。

 

<基礎知識>

 

▶ お尻を拭けるようになるまで

・ふだん見ることのできないお尻の穴は、子どもにとってどこにあるのかわかりにくい。

・たたんだトイレットペーパーを手に乗せたままお尻まで運び、さらにペーパーを落とさずにお尻の穴を拭くのは難しい動作。

・まずはトイレットペーパーを陰部やお尻にあてることから始め、徐々にキレイにすることを意識していく。

・確実に拭けるようになるまでには時間を要する。

 

▶ 拭き方を教える前に確認しておきたい動作

・トイレットペーパーをホルダーから切り取れる。

・トイレットペーパーやタオルをたためる。

・お尻の穴の位置が分かる。

・お尻の穴に手が届く。

 

▶ トイレットペーパーの準備

・必要な分のトイレットペーパーを引っ張る。

・トイレットペーパーを持たない方の手でホルダーのフタを押さえる。

・トイレットペーパーを切り取る。

・トイレットペーパーをたたむ。

 

▶ 拭くときの手の入れ方

・子どもの体型からやりやすい方法をとる。

(例)体をうまくねじれない子どもは前から拭く。

(例)ポッチャリ体型で足が開きにくい子どもは後ろから拭く

 

▶ 女子の拭き方

(オシッコ)陰部にトイレットペーパーをあてるくらいで十分

(ウンチ)膣への感染を防ぐため、必ず後ろから手を回し、前から後ろに向けて服用に教える。

 

<トラブルへのアドバイス

 

▶ 両手がうまく使えない → タオルを持ってたたむ練習を

・お尻を拭くときはきれいにたたまれたトイレットペーパーで拭く必要がある。

・タオルやハンカチなどでたたむ練習をする。

・切り取る練習は、机の上で紙を片手で押さえてもう一方の手で破る、日めくりカレンダーを破る、などで練習する。

・難しい場合は、ロール式ではなくあらかじめ切れているトイレットペーパーで代用する。

 

▶ 感覚の未発達 → お尻の穴の位置を教える

・お風呂の時にタオルで触ってお尻の位置を確認する、気づきやすいように水で濡らしたタオルで拭かせる、などで練習する。

・お風呂以外でも、ウエットティッシュで拭き、子どもがお尻の穴がどこにあるか確認できるように教える。

 

▶ 力のコントロールが苦手 → テーブル拭きや窓拭きで練習

・手に平に常に適度な力を入れてペーパーを支えながら手を動かす必要がある。

・似た動作として台拭き、テーブル拭き、窓拭きがある。

・お手伝いをしながら練習をするとよい。

 

▶ ものを見る力が弱い → イラストや人形を使って確認

・ヒトの身体のイラストや人形を見て、ウンチがどこから出るのか確かめる。

・自分のお尻の位置が分かるようになったら、大人のお尻の穴の位置にシールを貼り、人のお尻の位置も確認すべし。

 

▶ 体のイメージが捉えにくい → 一緒に拭いて動作を教える

・お尻を拭く動作をお風呂で洗う際に確認したり、実際に排泄後に一緒に拭いて練習する。

・拭く方向が分かりにくい場合は、子どもの手を動かしてあげる。

 

 

<参考>

発達が気になる子への生活動作の教え方(中央法規、2013年発行)

発達障害作業療法・実践編・第三版(三輪書店、2019年)