神経発達症とその周辺

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「食べられない」を科学する 〜座る姿勢が大切〜

子どもが「食べられない」現象を、運動機能の発達から紐解くシリーズです。

第一回:スプーン・フォークをうまく使えない

第二回:箸をうまく使えない

第三回:コップをうまく使えない

第四回:ストローをうまく使えない(準備中)

に引き続き、

第五回:座る姿勢

を扱います。

 

子どもの偏食について調べていたとき、目からうろこが落ちたのが「座る姿勢」の重要性でした。

食べる環境の整備、例えばテレビをつけないとかはなんとなく肯けますが、椅子とテーブルの位置関係が大切・・・と言われても今ひとつピンときません。

でも解説を読むと、姿勢が安定することで視野が安定し、手を自由に使えるようになり、そこではじめて色々な作業をする土台ができる・・・言われてみると、なるほど!と感じました。

 

今回も、私がポイントと感じた箇所を、備忘録として引用・抜粋させていただきます。

 

<基礎知識>

 

▶ 「座る」までの運動発達

・生後6ヶ月頃になると座れるようになる。

・生後7〜8ヶ月になる頃のうつ伏せでは、両手両足を持ち上げるような姿勢を取ったり、お腹を中心にくるくる回れるようになり、この背中伸ばしが座る姿勢の基礎になる。

・よい座位姿勢とは、一般的には骨盤が起きて背中がしっかりと伸びた状態をいう。

・近年、椅子にしっかりと座れない子どもたちが増えたが、要因として運動量が減り、姿勢を保持する筋力が不足していることが挙げられる。テレビやゲーム機などを見ている時間が長くなり、姿勢が崩れている時間も長くなっている。

・姿勢の崩れは手の機能を発揮しにくくするだけでなく、側彎や肩こりなどを誘発する。

 

▶ 座る姿勢の前に、確認しておきたい動作

・うつ伏せで両手両足を持ち上げるような姿勢を維持できる。

・両膝を曲げないでつま先に両手が届く。

・片足立ちが両足でできる。

 

▶ 椅子に座る生活の中で鍛える方法

・床での生活より椅子に座る生活の方が姿勢を保てる。

バランスボールの上に座る練習もよい。はじめは足をついて座り、次第に足を浮かせたりしてバランスを取っていくことで、持続的に姿勢を保つために必要なインナーマッスルを鍛えることができる。

・背もたれのない椅子に座る時間を少しずつ延ばしていく練習もよい。

・姿勢をよくするためには、ただ背筋を伸ばせばよいというワケではない。腰を反らせていると腰痛の原因になる。

 

<トラブルへのアドバイス

 

▶ 両手がうまく使えない → 使わない手も机の上に出す

・片手での動作が多い場合に、使わない手が机の下に降りていることがあるが、使わない手の方に体が傾きがちで、姿勢よく座ることができなくなる。

・両手を机の上に出し、食事や学習のときなどに支えや押さえなどをさせるよう心がけるべし。

 

▶ 感覚の未発達 → お尻や背中の感覚が意識できる工夫を

・お尻や背中の皮膚感覚は、手の平や顔に比べて鈍い。

・やわらかすぎるソファーではなく、座骨に体重が乗っていることが分かる程度の硬さの椅子に座ると、座骨に体重が乗っている感覚を得られる。

・滑り止めシートを座面に敷くことも有効。

 

▶ 力のコントロールが苦手 → 体に合った机と椅子を使う

・両足をしっかりと床につけて深く座ったときに、椅子と膝裏の間に指2〜3本のすき間があるくらいの奥行きがよい。

・背もたれは、腰の部分が支えられるようになっていると、より姿勢を保ちやすくなる。

椅子と机はセットで考える必要があり、肘を90度曲げたときに、肘から手までが自然にのる高さのものを用意する。

 

▶ ものを見る力が弱い → 見る対象の高さを調節

・軽くあごを引いてリラックスできる程度の高さで見る対象が正面に来るよう心がける。

 

▶ 体のイメージが捉えにくい → 骨盤を起こすことをイメージする

・座った姿勢の時に、骨盤をうしろに傾けたところから起こす動きを経験させる。

・腿の後ろの筋肉が縮んでいると、床座位の姿勢はより崩れやすくなるため、ストレッチが有効。床に長座位(足を投げ出して座る)となり、体を前に倒すことで、腿の後ろの筋肉が伸ばされる。

 

<参考>

発達が気になる子への生活動作の教え方(中央法規、2013年発行)

発達障害作業療法・実践編・第三版(三輪書店、2019年)