子どものココロのトラブルにどこまで漢方薬を応用できるか、日々研究中です。
今回、西洋医学的投薬を受けているASD児に漢方薬を併用し、西洋薬が減量できたという記事が目に留まりましたので、ポイントをメモとして残しておきます。
印象として、最初にやるべきことは、目の前の困った症状ではなく、睡眠や食事を整えること。
睡眠と食事が規則正しく望ましい状態になると、自然に問題行動やトラブルが減ることが観察されています。
これは、神経発達症に漢方を応用しているほかの先生方も指摘されている点ですね。
▶ ASD児の情緒の特徴
・過敏で緊張が高い
・体が硬く、漢方医学的には「気」の巡りが滞って(気滞)上衝している(気逆)ことが多い
▶ ASD児に向けた漢方処方
・患児に合った柴胡剤(四逆散、小柴胡湯、抑肝散など)をベースに選び、あとは気剤(酸棗仁湯や甘麦大棗湯など)を重ねる
→ 西洋薬の量を減らし、衝動性・自傷他害行動・多動・睡眠障害などが軽減することが期待できる
・多動性・衝動性から元気すぎるように思われがちだが、実は脳の覚醒レベルは低い
・常に刺激を入れておかないと眠ってしまうため、そわそわ落ち着きなく動いてしまう
ADHDの困りごと
・多動・衝動優勢型の例:ガキ大将のようなやんちゃ坊主、いたずらや喧嘩ばっかり、いつも先生に怒られて廊下に立たされている…
・不注意優勢型の例:いつも授業中ボーっとして忘れ物が多く、先生に叱られてばかり…
・多くのADHD児が周りから理解されず、叱責されたり、いじめられたりすることが多く、見栄っ張りなうわべの下には傷ついた自尊心が隠れてしまいがち
・子どものころは忘れ物が多く、授業を期せずして邪魔してしまい、友達とのトラブルも多く、親や先生から叱責されることばかり…
・大人になっても転職が多く、異性関係やギャンブル・借金などで日常生活に支障をきたしている人も少なくない
・広義の覚せい剤の成分であるメチルフェニデートが治療薬として承認されている。
・アトモキセチンは非中枢刺激薬で、依存性や副作用の面でメチルフェニデートより安全性が高いとされて使用されている。
・漢方薬の併用で、上記薬剤の量を減らせる可能性がある
・ただし、漢方薬には限界があり、西洋薬との併用が推奨される
<参考>
・自閉症スペクトラムと漢方~西洋薬の量を減らし、副作用を最小限に抑える漢方~
ポレポレクリニック院長 辻内優子(漢方スクエア)
・ADHD(注意欠如・多動症)と漢方 ~漢方薬と西洋薬のコラボレーション~
同上