本
ワニブックス、2014年発行 東日本大震災後、“こころの危機”にどこまで宗教(とくに仏教)が対応できるのか、興味を持ちました。 平安時代末期の末法思想に対応したのは、鎌倉仏教の担い手である法然の浄土宗であり、親鸞の浄土真宗だったという歴史があった…
双極性障害患者は機能性疾患ではなく、脳の画像所見を示す器質性疾患と捉えられています。 そのMRI所見と、薬剤の影響に関する報告を紹介します。 リチウムは異常所見を改善させる効果があるようですね。 抗精神病薬は? ■ 双極性障害患者の脳に対する向精神…
ストーカーを被害者視点から扱う番組の多い中、加害者を取材しその治療を扱った内容です。 精神科医は、「人間には人間的脳と動物的脳がある。ストーカーは本能に走りがちな動物的脳が暴走している状態であり、人間的脳により抑制するリハビリを行う」とコメ…
思春期の患者さんにSSRI(抗うつ薬)を投与すると自殺企図のリスクが増えるとされていますが、実際に効く薬はあるのでしょうか。 こんなニュースが目にとまりました。 fluoxetine以外は効かない、という残念な結果です; ■ 小児・思春期うつ病に対する抗うつ…
日経BP社、2014年発行。 川端裕人、三島和夫共著。 文筆家(小説家?)の川端裕人氏が、三島和夫Dr.(国立精神・神経医療研究センター部長)を取材してまとめた本です。 睡眠・不眠症に関する最先端の知識がわかりやすく紹介されています。 知らなかった情報…
うつ相から始まる双極性障害は、しばしばうつ病と誤診されます。 しかし、二つの病気は効く薬が異なるので、以前から初期に鑑別する方法がないか模索されてきました。 光トポグラフィーもその一つですね。 紹介する記事は、奈良県立医大による「拡散テンソル…
先日、私自身も自動車運転免許証の更新を行いました。 その際、「運転中に意識を失う可能性のある病気がありますか?」という質問がありました。 確かにてんかん発作などで意識を失うと交通事故に繋がります。 しかしそのような症状がない精神・神経疾患一般…
治療を怠ると、進行性で人格が破壊されるという統合失調症。 人類にとってマイナス面だけの病気なら、その遺伝子は淘汰されてなくなるはず・・・ でも、歴史に名を残す偉人達の中にもこの病気に罹患していたと想定される例も多数あります。 進化の過程で排除…
副題:病と上手に付き合い、幸せで楽しい人生を送るコツ 星和書店、2016年発行 著者は「双極性障がいⅡ型」の患者さんです。 最初に「あなたのうつは本当にうつ病が原因ですか?」という言葉で始まります。 一般にうつ病と双極性障がいの鑑別診断は難しいとさ…
帯:元祖・うつ漫画家の迷走日記 ポプラ社、2013年発行 当初、「うつのち晴れ」というタイトルでうつ病のカミングアウト漫画を書き始めた著者が、途中で診断名が「躁うつ病(双極性障害Ⅱ型)」へ変わったため、タイトルもこのようになったそうです。 これ、…
医学雑誌「臨床精神薬理 Vol.19, No.6 Jun. 2016」 星和書店発行 双極性障害の薬物療法についての私の知識は、 ・気分安定薬リチウム(リーマス®)が基本処方 ・躁状態には非定型抗精神病薬であるオランザピン(ジプレキサ®) ・うつ状態には抗うつ薬は無効…
現代の病理でしょうか。 遊ばないからうつ病になりやすいのか、うつ病になる人は遊ばない傾向があるのか、どちらが原因でどちらが結果かわかりませんが・・・。 ■ 子供はよく遊ばせておいたほうがよい (ケアネット:2014/03/28) 小児および思春期の身体活…
双極性障害の急性期症状に第2世代抗精神病薬(SGA)が有効かどうかを後向き研究(過去のデータを使用して解析する手法)した報告です。 日本で認可されているSGAはジプレキサ®とセロクエル®が有名ですね。 一般的に、SGAは躁状態には有効であるがうつ状態に…
双極性障害の話題を続けます。 コストという視点から非定型抗精神病薬を評価した報告を紹介します。 国民皆保険の日本人にはピンときませんが、外国では効果があっても高価であれば採用されません。 日本では花粉症に対する抗アレルギー薬がたくさん処方され…
双極性障害の話題を続けます。 テーマはとても知りたい内容なので取りあげましたが、専門用語がたくさん出てきてわかりづらい報告ですね(^^;)。 用語を整理すると、 ・NNT:治療必要数 ・DAE:有害事象による治療中止 ・NNH:DAEに関する有害必要数 ・・・ウ…
双極性障害の記事を続けます。 昔は双極性障害は躁うつ病と呼ばれ、躁状態には入院、うつ状態には抗うつ薬という時代が長く続きました。 近年はリチウムを中心とした気分安定薬をベースに、躁状態には非定型抗精神病薬、うつ状態にはあまり選択枝がないので…
双極性障害関連のニュース記事です。 気分安定薬として定番のリチウム。 効く人と効かない人が遺伝子解析でわかる時代になりました; ■ 双極性障害のリチウム治療効果に関連するSNPs 国際共同研究による全ゲノム関連解析 (2016/2/10:日経メディカル) リチ…
病識のない統合失調症患者さんを病院へ連れて行くことは大変という話を耳にしたことがあります。 この病気の「攻撃性」に有効な薬に着目した論文を紹介します。 ベンゾジアゼピン系は依存性/習慣性が発生しやすく、かつ攻撃性を増すということですから、長期…
双極性障害は躁状態とうつ状態のサイクルを反復する病気です。 双極障害はⅠ型のⅡ型に分けられ、入院が必要になる強い躁状態をきたす場合はⅠ型、日常生活に支障のない程度の躁状態にとどまる場合はⅡ型と診断されます。 紹介する論文は、双極性障害のⅠ型とⅡ型…
ネットでダウンロード可能な冊子です。 著者は杵渕彰先生(青山杵渕クリニック)。 精神科疾患への漢方薬の適応を今一度確認する目的で一読しました。 ポイントは、 ・向精神薬や抗不安薬などの服用が困難な場合などに漢方治療を試みる意義がある。 ・精神科…
日本評論社。 1998年第1版、2008年第2版、2013年第3版発行。 精神科専門医が経験してきた双極性障害(従来「躁うつ病」と呼ばれてきました)患者さんの闘病記です。 この本ではあえて一般的な「躁うつ病」という単語を使用しています。 そこには病気と闘…
無明舎出版、2014年発行 新聞記者で双極性障害患者でもある著者が「カミングアウト」した貴重な内容。 中島らもの「心が雨漏りする日には」と同じ分野の書ですね。 病気に振り回された半生記がリアルに綴られています。 入院を繰り返す「闘病記」に終わるこ…
目についた記事から抜粋します。 ■ 統合失調症にわが国初のエビデンスに基づくガイドライン 日本神経精神薬理学会,薬物療法に特化した推奨を明示 (2015.09.29:メディカル・トリビューン) 日本神経精神薬理学会は2015年9月24日,統合失調症の薬物治療ガイ…
「愛情ホルモン」とか「恋愛ホルモン」と呼ばれるオキシトシン。 このホルモンが自閉症スペクトラムの治療に応用できる可能性があるという報告です。 ■ オキシトシン経鼻剤の投与が自閉症スペクトラム症の中核症状を改善することを実証-東大 (2015年09月09…
以前、うつ病関連の本を読んでいたとき「抗うつ薬の副作用として自殺企図に至る患者さんは、もともと躁的要素を持っている人、つまり双極性障害である」という文章を目にして「なるほど」と頷いたことがあります。 この報告も、その延長線上のお話しだと感じ…
河合隼雄先生の著書は、一番共感できるお気に入り。 読み始めたのは社会人になってから、と思い込んでいた私。 しかし、今から30年以上前、高校生の時に読んだのこの本、最近になって河合先生の著書であることに気づいたのでした(笑)。 う~ん、運命的な繋…
漢方製薬会社ツムラ制作の小冊子「漢方と診療」Vol.5 No.1(2014年4月発行)に漢方薬を診療に導入している精神科医の座談会の記事を見つけました。 参考になった部分を抜粋してみます(あくまでも一般論としてお読みいただき、実際の処方は診察が必要なこと…
副題:ブッダの言葉〈法句経〉(ダンマパダ)で知る慈悲の教え 角川文庫、2011年発行 「こころの病」ではありませんが、パニックの対処法として役立ちそうなので、この項目に入れました。 著者は“スリランカ上座仏教長老”とのこと。 私自身が最近、怒りを覚…
ちくま文庫、2012年(単行本は2005年)発行 副題:思春期外来から見えるもの 近年、私の周囲では発達障害を早期に診断しようという流れがあります。 早期診断が療育につながるので本人のため、という理屈なのですが、療育サポートが不十分のため果たして本人…
副題:先進医療「うつ症状の光トポグラフィー検査」ガイドブック 編集:心の健康に光トポグラフィー検査を応用する会 昨今話題の「光トポグラフィー」。 一言で表現すると「自然な状態の被験者の大脳皮質の賦活反応性の時間経過を、非侵襲的で簡便に全体とし…